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市ヶ谷リベラルアーツセンター長ごあいさつ

市ヶ谷リベラルアーツセンター(ILAC)は各学部の教育改革、充実化を支援する「教育開発支援機構」に設置されたセンターの一つで、市ヶ谷キャンパス6学部における教養教育のありかたを考え、学部横断的な教養教育カリキュラムの開発・設計・提案・展開を支援することを主な役割としています。ILACは人文科学、社会科学、自然科学、情報学、英語、諸語、保健体育の七つの分科会から構成され、それぞれの分科会のディプロマ・ポリシーに沿って提案されたカリキュラム編成を審議し、運営します。ここからただちにわかるように、ILACは単にILAC科目を設置・運営するだけではなく、学部が提案し設計する専門教育と分科会が提案し設計する教養教育を相互補完的なバランスを見据えつつ接続する調整機能も求められています。これは大学の学士課程教育に求められるものが近年、大きく変化していることと密接にかかわります。同時にそれは社会の急激な、かつドラスティックな変化と呼応してもいるのです。

視点を大学教育に限定して見てみると、世界のいわゆるグローバル化は学生に国際的な水準の学士力また国際的な競争力をもつことを要請し、情報テクノロジーの急速な進歩と革新・普及は教育のありかたのみならず、学問の枠組み自体のありかたの変革を必然的にもたらし、社会像、家族像、ジェンダー、労働などの、あるいは総じて生き方の変化と多様化はそれに対応できる複眼的な思考や視野形成を要求し、結果的にはそうした思考力、判断力、課題発見・解決能力を持った人材の育成が大学教育に求められることになります。そのためには学部専門教育によるプロフェッショナルな知見や能力とILACが提供できるジェネラルで学際的な知見や俯瞰力がますます必要とされてきます。プロフェッショナルな知見とジェネラルで学際的な知見、このふたつをいかに効率よく、有効に、またバランスよくいわば相互浸透させたカリキュラム体系を構築するか、そしてその成果や課題をいかに学生に送り届け、フィードバックし、学習環境を整備していくかがILACの重要な使命でありましたし、今後も最も重要な使命の一つであり続けます。ただここで注意すべきことは、ジェネラルな知見、総合的であること、幅広さは「広く浅く」ではなく、深さと結びつかねばならないということです。そのために一つ一つの科目においてもそうした工夫がなされており、またILACのカリキュラム編成は4年次まで応用・発展ができるように設計されています。実際、ILACのカリキュラム・ポリシー(教育課程編成・実施の方針)には「幅広く深い教養および総合的な判断力を培い、豊かな人間性を涵養するため、専門教育科目と共にILAC科目をもって学部の教育課程を構成する」と明記されています。

「自由を生き抜く実践知」は法政大学が高等教育機関として社会的責任を果たすために2016年に制定した法政大学憲章です。多様な立場の人との共感をもって主体的、自立的に判断できる能力をもち、多様な立場の人が生きやすい持続可能な社会の形成を目指す知性をもつことが目指されます。法政大学の伝統と自由な学風と進取の気象もまたこの実践知を支えるものです。専門教育科目との協力関係のもとに、学生の学修の成果として得る知が現代社会に適応し、現代社会の難しい課題を切り拓いていける実践知となるようにILACは学生の学びの充実と支援の場としての役割を果たし、改革を継続していきます。

市ヶ谷リベラルアーツセンター長 人間環境学部教授 梶 裕史
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