心理学者、大学教育への挑戦

心理学者、大学教育への挑戦

2005.08.01

上慎一・藤田哲也(編)  ナカニシヤ出版(2005.4)

心理学者が自分の専門領域の理論を、大学教育を充実させるために活用している様子を紹介した本です。もちろん、心理学を学問の専門としない方にも理解できるよう、配慮して書かれています。単なる経験則による授業改善ではなく、心理学の実証的なデータや理論を背景に取り組んでおり、理論と実践のつながりを強調して書かれていますので、表面的な実践の模倣ではなく、本質的な改善につなげることができるという意味で、応用範囲も広いと思います。大学教育の改革を実践として積み上げるだけではなく、理論と結びつけ、他の取り組みと相対化するなどして、研究として発信するというスタンスで書かれた本です。各章にコメント論文を追加し、独りよがりな内容にならないよう、そして心理学を専門としない人にも理解しやすくなるように工夫されています。

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